しばらくの間、不機嫌な顔で画面とにらめっこを続けていたが、はぁ…と一つため息を吐いて歌い出した。


その声に皆が思わず表情を変えた。
元々低い声が、たまらなく甘い声になり胸を締め付ける。


上手くないなんて嘘。
そこらへんの歌手より全然上手い。
感動して思わず涙。


「ちょっとやだ!
この子泣いちゃったよ!」


かおるがあたしを抱き締めて笑った。


『だって…凄い感動して…!』


夏木君はギョッとした顔でマイクを置いた。


「お前は…本っ当大袈裟!!」