強いて言うなら、こういう所は前と全然違う。
拍子抜けするぐらい優しくなった。
もちろん意地悪を言われるが、必ず最後は優しくしてくれる。
そういう時、夏木君の“特別”の存在が実感出来て幸せを感じる。


『ねぇ…付き合ってる事、手を繋いでるからどうせバレるけど、かおるとえっちゃんとひろちゃんに話してもいい?』


「…弘子にもわざわざお前から話すのか?」


『うん。
だって、本当に心配してくれてたから…。』


「別に勝手にしろ。」


『ありがとう。』


きっと、夏木君の性格からして手を繋いで登校なんて、恥ずかしくて嫌なはずなのに、あたしがまだ通学路を歩くのが怖いと心配してくれて手を繋いでくれてるんだと思う。