「ふぅん…。」


理解不能、という表情で冷えたコーラを飲み干す木村に弘子は少し口角を上げた。



―――――――…


「夏木怜と付き合ってんの?」


女子トイレから出た時、廊下に座り込む男子が突然声をかけてきた。


『…………へ?
いやいや、そんなわけないし。』


てゆーか、誰?


「そうなんだ、良かった。」


『え?』


「高橋さんね、今すげーモテてるよ。
覚悟しといたら?」


それだけ言うと、ポケットに手を入れて去ってしまった。