「いいなぁ、まな…。」


小さい声で寂しそうに一瞬先生の事を見たえっちゃんにあたしだけが気付いた――。




――――――――…


「は?」


怪訝そうに俺が睨む相手は高橋…じゃなくてライバルの木村だ。


「は?じゃない。
だから、最近高橋さん人気だって言ってんの。」


「…冗談。」


ケッと笑って携帯に目を向き直すと、携帯を取り上げられた。


「おいっ」


「聞けって!
冗談じゃないから言ってんの。
体育祭で速くて目立ってただろ?
結構俺にアドレス聞きに来る奴多い。」