「せーんせーっ!」 「ねぇ、アドレス教えてよー!」 「彼女いるの?」 キャッキャッ、と女子達が群がっているのは、あたしが前に教室案内してもらった松田先生。 そして多分きっと、えっちゃんの好きな人――… チラリと隣のえっちゃんを盗み見ると、何も考えていないような無表情で女子達の声を聞いている。 …嫌じゃないのかな? てゆーかモテるんだ、松田先生。 ぼんやりそんな事を考えていると、ペシッと頭を叩かれた。 『あいたっ!』