胸に嫌な物が広がる様な感覚に陥る。
『男みたいで悪かったね。』
あからさまにムッとした顔をしてしまった。
しかし、そんなあたしを見て何故か嬉しそうな顔の夏木君。
『…なんかいい事あったの?
ご機嫌じゃん。』
「あ?そうか?
普通じゃん。」
怜は、こうやって学校で愛美と普通の男女の様に廊下で話している事がなんだかくすぐったい様な感じがして、心地よかったのだ。
『ふぅん?』
絶対嘘だ、と思いながらあたしは夏木君の顔をマジマジと見た。
家にいるとそこまでマジマジ見る事ないけど、こうして向かい合ってちゃんと見てみると本当ムカつくくらいかっこいいよね。

