心地いい包丁の音を聞きながら、テレビをのんびり見ていれるわけがなく、チラリと夏木君を見た。 淡々と料理をする彼を見ていると、なんだかとんでもない事になったと改めて実感する。 しかも結構かっこいい。 しかも彼女持ち。 『…ねぇ。』 あたしの声に反応を示さない夏木君にもう一度ねぇ!と声をかけると、物凄く不機嫌そうな顔で睨まれた。 「…うっせぇなぁ、なんだよ!」 恐~! 『睨まないでよっ! 何作ってるの?』 「………カレー。」 やっぱり不機嫌そうにブスッと言った。