「なぁ、今日どっか食いに行かねぇ?
あ~もちろん同級生が居なそうな所で。」


『いいよぉ。
夏木君の奢り?』


ガシッと大きな手で頭を掴まれグワングワンと揺らされた。


「んな訳ねぇだろ。
調子乗んな、バーカ。」


『女の子に当たり前の様に奢ってあげるのがいい男じゃないの?
ケチー!』


「お前は女じゃねぇ。」


ズキン…


『…ひどーい…』


前ならこんなセリフ何も思わずに笑って返せたのに、今はとっても悲しい。
何でだ……?


そんなあたしの変化に気づく訳もなく、夏木君は夕食の事で頭をいっぱいにさせていた。