紗耶香は掴んでいた俺の腕から手を離した。


そして、何も言わずに部屋を出て行った。






俺は玄関へ向かう紗耶香の足音を聞きながら、力なくしゃがみ込んだ。



…濱口先輩の元へ向かうんかな?



自分で仕向けた事なのに、何だか切なくて、涙が出て来た。