昼休みに紗耶香が怒鳴った日。


夕飯を食べ終わって、部屋でエロ本読んでたら、紗耶香が来た。



絶対この日は紗耶香が来ないと思って油断してたから、隠す暇もなく、紗耶香にバッチリ見られた。



『えっち…』


紗耶香は少しムスッとした顔をした。


『男なんだから、しょーがねーじゃん』


俺はエロ本をベッドの下に隠した。



『なおくん、変わったよね』


紗耶香は窓の外を眺めながら言った。



俺の部屋の窓からは、紗耶香の部屋が見える。



『どんどんあたしの知らないなおくんになってっちゃうのかな』


紗耶香は呟くように言った。



先に離れてったのは、紗耶香の方じゃん。


そう思ったけど、言わなかった。

言えなかった。






次の日から、紗耶香は昼の休憩時間に俺のとこには来なくなった。



案の定、俺は喉が渇いて、倒れそうになった。


飲みたくないけど水道水で我慢した。