「瀬名くんと、仲いいんだね」


アキちゃんとふたりで歩く帰り道。


「ああ、小さい頃にマンションのお隣さん同士でね――それで仲いいの」


「そうなんだ。でも正直...瀬名くんってかっこいいね」


「う、うん――あたしも久しぶりに会ったからさ、マジビックリ」


そこでアキちゃんは、可笑しそうに笑った。


「小さいころはね、あたしの方が背高かったし――アイツ、泣き虫でさ」


「へぇ――」


そういうアキちゃんは、確かに姉御肌。

最初こそ緊張していたのだろうけれど、今では地声で男まさりな口調で喋っている。

サバサバとした彼女は、隣にいてなんだか気持ちがよかった。



「おーい、もう帰んのー?」


ふいに後ろから声がして、アキちゃん共々振りかえると。


「あ、瀬名くん...」


後ろには、あたしたちに手を振る瀬名くんの姿。

でも彼は、すぐにあたしたちに追いついて、


「せっかく高校生になったんだよ?――楽しまないと!」


あたしとアキちゃんを、なかば強引にひきずって歩き出した。


「マックマック!」