「...はい――!」


その時、鶴城先生を呼び出す校内放送が響いて――


「じゃあな、気をつけて帰れよ」


「はい...ありがとうございます!」


先生は走って消えていった。





まるでシンデレラ。

魔法にかかったみたい。



「マジ...」


先生が帰ってしまった後も、あたしは呆然と立ち尽くしていた。

やっぱり、信じられない。


小さな白い紙には、11桁の数字が綺麗な字で並んでいた。


胸のドキドキは、まだおさまらない。





先生にとって、あたしってなんなんだろう――


周りの女の子たちより、ほんのちょっとだけでいいから、

“特別”に、なってたらいいな。



どうやらやっぱり、これは恋のようです。

だって、先生のこと考えるだけでこんなにも、胸が苦しくてドキドキして――

幸せな気持ちに、なれるから。



電話番号の書かれた紙をギュッと胸に抱きしめて、


あたしは日の傾きかけた窓を仰いだ。