もし、中にいる女の子たちにメアドを教えていたら――


あたしも、って便乗できるのに。


これじゃあまずい。


「ほら、もう遅いから帰れ帰れ」


しかも女の子たちを追い出すように、鶴城先生までもがドアの前まで出てきてしまった。


「先生のいじわる!」


「はいはい、じゃあな」


女の子たちは口をとがらせながら、しぶしぶ帰っていく。


ドアの前で立ち尽くしていたあたしは、ここまで来たことを後悔しつつあった。

やっぱやめときゃよかった!


「あ、ごめん――宮崎先生に用事?」


「あ、いえ...あの...」


パタンとドアが閉まり、長い廊下に先生とふたりきり。

ここまで来たんだから、もうやるしかないよ、零!


「あの、先生の、メールアドレス的なものを...」


あたしは精一杯の作り笑顔を浮かべた。

そんなあたしを見て、鶴城先生はぷっと吹き出した。


「はは――おまえもか」


ああっ!
ごめんなさい先生!


「お、教えては頂けない...でしょうか」


あたしはギュッと目を閉じた。