今日は外でやるらしい。
俺たちは玄関へ向かった。
その途中、後ろからバタバタと走ってくる音が廊下に響く。
「槙~っ!」
「…こっ」
何とも分かりやすい。
後ろから飛びついてきたのは小夏だ。
「…夏、どうした」
廊下を走って、さらに俺に後ろから飛びつくという危険な行為を注意しようと顔を上げると、大粒の涙を流した小夏が目の前にいる。
そして、そのまま抱きついてきた。
もう1度「どうした?」と聞いても小夏は泣くだけ。
訳がわからないまま、とりあえず頭をなでる。
もしかして…誰かが小夏を…?
あやしていると、知った顔の女子が廊下を曲がって現れた。
小夏とよく一緒にいる子だ。