「コレ焦げてんじゃん!」 「ウソだ」…その場の全員が同じことを思った。 普通にうまかったけどな。 だけど、「悪いけど水ちょーだい」と近くのやつに言う太一は、ウソを言っているようには感じない。 「食ってみろよ。こんだけ焦げてたら、もう嫌がらせのレベルだぞ」 太一は「ちゃんと中身見ればよかった」とため息をついている。 小夏がもらった方のクッキーは全部、見た目からして焦げているのがわかった。 3人で顔を見合わせる。 …食べるのは止めた。