「小夏先輩にも渡そうと思ってたんです!食べてください!」
「わー、ありがとう!嬉しいっ」
「それじゃあ、私はこれで…」
「あ、ハル」
ハルが回れ右をして歩き出そうとしていたところで、俺はさっきハルが何かいいかけていたのを思い出した。
小夏が来たから言い出せなくなったんだよな…
「さっき、何言おうとしてた?」
「…さっき?」
「小夏が来る直前」
「……あ、小夏先輩がどこにいるか聞こうと思ってたんです!クッキー渡したかったので」
「あぁ、なるほど」
だったら小夏はグッドタイミングで来たわけだ。
ハルと別れて小夏と2人、教室に戻った。

