「えっと、3・4時間目に調理実習があって、クッキー作ったんです」 「へぇ、うまくできた?」 「ちょっと焦げたのもあるけど大丈夫です。…それでっ、コレよかったら食べてください」 そう言って、ハルは小さな包みを両手で差し出した。 話の流れからして、中身はクッキーだとわかる。 「俺に?」 「はいっ」 「うまそう。サンキュー」 素直に嬉しい。 俺はそれを受け取った。 …それで終わりかと思いきや、ハルはその場から動かない。