もちろん、迷惑をかけた小夏もハルとは仲よくなった。


ハルは気さくな性格で、絡みやすい。

俺が女子と話をすると小夏は怒ることがあるけど、ハルはOKらしい。

小夏もハルを気に入っていて、メアドを交換してよくメールをしてると言っていた。
あ、俺はさすがにそこまでしてねーけどな。




「そういえば、ハル。どうした?」




昼休み。

職員室からの帰り道、2階の廊下を歩いていた俺はハルに呼び止められて足を止めた。

ハルは走って俺のところに来て、まだ小さく息を切らしている。




「あのっ、3・4時間目に、調理実習があって、それでっ…」

「ハル、まずは落ち着け」

「あ、はいっ」




俺の言葉に返事をしたハルは、深呼吸を3回した。


それで少し落ち着いたらしく、俺の方に向き直って顔を上げた。


俺は身長の低いハルから見上げられている状態。

誰かに限らず見上げられるのっていいなとか、このとき俺は本当に思った。