「痛いよぉ…」

「…保健室行けよ。俺が片付けやっとくから」




俺が言うと、小夏は顔を上げて初めて俺に気づいたように「あっ!」と言った。




「一条君だぁ!」




俺を指さしながら突然笑顔になって言った。

…驚いたけど突然笑顔になるからドキッとした、なんてことは秘密だ。


てか、俺のこと知ってんのか?
まぁ俺も知ってたけどさ。

一応聞いてみた。




「俺のこと知ってんの?」

「うん!だって、噂になってたよ!」




え…マジで?
噂になるようなことした記憶はないけど…

俺ってもしかして、ちょっとした有名人?


そんな自惚れを抱いてしまった。