「おはよう、槙。小夏ちゃんも」
聞き慣れた声に振り向けば、緒斗と太一がいた。
「お前らまたクラス違うんだなー」
「でも隣だからまだよかったね」
「まぁ、な」
「俺らは一緒だけどなっ」
「…太一はどっちでもよかったけど」
「嬉しさを隠すなよー槙!」
何年クラス一緒だと思ってんだ。
今からでも小夏と太一をかえてほしい。
太一をじっと見てみる。
金髪の太一はよく第一印象で「チャラそう」と言われるけど、中身はそのイメージを裏切らない。
つまり、本当にチャラい。
…って、読者からしたらこんなのいらない情報だよな。
見た目正反対の緒斗は、爽やか好青年。
老若男女問わず誰にでも優しいので、泣かされた人は数知れずだ。
しかも、本人は自覚なくやってるからタチが悪い。
「1年間よろしくね、槙、太一」
「楽しもうな!」
2人の間にはさまれる俺は、また大変な1年になるんだろうなと思いながらも、それらを楽しみにしている自分もいて笑った。