「よし、小夏。死ぬ気でやるぞ」

「槙が教えてくれるならがんばるーっ」




教科書とノートを広げた小夏が機嫌よく返事をする。



次の日の放課後。

俺と小夏は学校の図書館にいた。


たぶん、勉強を教える俺の方が死ぬ気でやらないといけないだろう。

当の本人――小夏は、危機感というものが少しでもあるのか?




「槙!」

「(わかんねーとこ)どこ?」

「あのね、いつものお店か、新しくできたカフェかどっちかで迷ってるんだけど…」

「……パフェの話は無し」




……前途多難ってやつだ。