「あのね、パフェ食べたいの」
「…パフェ、か」
「うんっ」
つまり、一緒に行こうということを小夏は言っているわけだ。
…行きたくない。
なぜなら、小夏行きつけのその店は俺が最も苦手とするようなものが集まった場所だから。
でも、そんなこと言えるわけがないし、今の小夏に俺の気持ちがわかるはずがない。
「……わかった」
答えは1つ。
小夏のためだと言い聞かせて、頷いた。
「……今度な」
「約束だからねっ」
小指を絡ませてくる行動はかわいいけど、なんか今日俺にとってマイナスのことばかりだな、と思った。
季節はもうすぐ春。
3年になったら、いろんなことが今よりも落ち着いて欲しいと切実に願った。
だけどまさか、それ以前の問題が起こるなんてこの時は思ってもいなかったんだ。