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「…き、槙」

「……」

「睨まないでよ。怖いから」




顔を上げると、緒斗がいた。
(教科書はちゃんと持ってる)


てか俺、また寝てたのか…

最近寝過ぎな自分に少しだけ反省してみたりする。




「槙、呼んでるよ」




緒斗の指さす方を見ると、背の高い女が教室の入口の所にいた。


そいつは俺が見ているのに気づいて、中に入ってきてまっすぐに俺の方に歩いてくる。




「イチ!」

「…お前かよ」

「お前じゃない!莉緒(リオ)!」




んなこと知ってるっつーの。

あ、でも名字知らねーけど。