教室に入ると、すでに席についている緒斗が俺に笑顔を向けていた。
でかいチョコの包みを持ってる俺は、それだけでクラス中の注目を集めてしまう。
そそくさと席についた。
「お疲れさま、槙」
「…お前完璧他人事だと思ってるだろ」
「うん」
全く誰のせいで…
いや、緒斗には言っても無駄か。
教室に入ってきた担任の方に体を向けた。
ふと思い出して、机の中に手を突っ込んでみる。
…何もない。
残念とかじゃなく、むしろほっとした。
でも、今ってまだ朝なんだよな…。
今日くらいは、一日中小夏に隣にいてほしいと思った。