そして、たどり着いた結論。
『ガマンする必要なかったじゃん、俺』
「…本当、お前かわいすぎ」
小夏には聞こえないくらいに小さく呟いてキスをした。
前と違うのは、唇だってこと。
誰もいない教室。
(…本当に誰もいないのは俺らの半径1m以内だけだけど)
周りの音なんて一切聞こえない。
(聞いてないだけ)
嬉しそうな顔をしてる小夏がいるから、周りなんかもうどうだっていい。
ただ、足りない。
そんな気持ちに浸っているとチャイムが鳴った。
我にかえって、名残惜しい(口には出さない)けど、椅子から立ち上がる。
「槙~…行かないで」
「…昼休み来てやるから」
幸せ気分から一転、今にも泣きそうな顔をした小夏に声をかけて教室を出た。
何であんなにすぐ泣きそうな顔になれるんだ?
…俺を誘ってんのか?
もう少し…なんて思ってた俺はまだモヤモヤした気持ちを抱いていた。