宮下小夏。
チビでバカな俺の彼女。
「おはよう、小夏ちゃん」
「おはよっ緒斗くん!」
「小夏ちゃんはすごいね。こんなに人がいるのに、槙を見つけて走ってくるなんて」
「あのね、金色と黒色の髪が見えたから太一くんと緒斗くんがいるなら槙もいると思って来たの!」
「そこは俺を見つけて走って来たって言えよ…」
「しょうがない、槙!だってお前は見えないからな~」
「…何か言ったか?太一」
「いや~何も?」
太一の冗談めいた、でももっともな言葉に反論できない自分が悔しい。
小夏は身長147㎝。
…俺は159㎝。
昔から、クラスで背の順で並べば1番前以外なったことがない。
2・3年後には170㎝を越えると思っていた中学時代。
実際に高校生になって、その願いは見事に打ち砕かれた。