小夏のチョコが嫌だなんて言ってない。

まあ確かにチョコのあまりの大きさに、小夏を小突いたりはしたけど。


…どうやら俺の言葉は小夏の脳内で変換されてるらしい。


ため息をついて、さっきの言葉について聞いてみた。




「なあ、俺のこと嫌いなの?」

「…きらい」

「本当に?」

「……だいきらいだもん」

「へえ…残念だな。俺は好きなのに」




そう呟いた瞬間。

ガバッと顔を上げた小夏と目が合った。


目を丸くして俺を見てるのがかわいい。




「…あたし?」

「他に誰がいんだよ」

「好き?」

「うん」

「もう1回言って?」

「好き」

「誰が、誰を?」

「…俺が、小夏を」




「1度に聞け」というのどまで出かかった言葉はのみ込んだ。


見て分かる。

小夏の目がキラキラと輝きはじめた。




「槙っ!」

「何?」

「あたしも好き!」