その時、太一と緒斗が興味津々に俺が持っているチョコを見ていることに気づいた。
と思ったら、太一は俺を見てニヤリと変に笑った。
「朝から熱いね~」
「いや、…どこが?」
どう見ても俺怒ってんじゃん。
「小夏、俺には無いの~?」
「あるわけねーだろ」
「僕も小夏ちゃんから欲しいな」
「無い」
「何で槙が答えるんだよ!俺らは小夏に聞いてんの!」
「だから無いっつってんだろ!てか呼び捨てすんな」
「あ、ヤキモチ?槙かわいー」
「…黙れ太一」
「で?俺へのチョコは?」
「ないよ!槙だけ~!」
「え、ほんとに無いの!?」
「…ほらな。アホが」
小夏が太一や緒斗に用意してたらどうしようと、内心ドキドキしていた俺。
まあ、あったらあったで、奪い取るだけだが。

