「小夏…」
「なーに?」
「っ…お前はアホか!」
ゴンッ!
廊下の中心で愛を叫んで真っ赤になっている小夏に、俺は叫び返した。
若干鈍い音がしたけど気にすんな。
「いた~い…」
「何このデカさ!?マンガでしか見たことねーんだけど!?」
小夏のチョコは俺の顔よりもでかくて、多分教室の机くらいの大きさのハート型をしている。
小夏が持ってるマンガでこういう大きさのチョコ見たけど、さすがに現実ではありえないと思ってたのに…
「なぁ、コレはウケ狙ってんのか?それとも、俺に対するイジメ?」
「どっちも違う…」
「じゃあ何?」
「槙に気持ちを伝えたいって思ったら、この大きさになっちゃったの…」
「あのなぁ…」
俺を想うなら、もっと小さくしてくれ。
「でも!去年よりおいしさパワーアップしてるもん!」
「大きさまでパワーアップさせんな!」
開き直りやがった…

