溺愛ハニー



「…お前のためじゃねーんだけど」

「マフラー渡してあげるなんて優しーじゃん」

「小夏に渡せ、左」

「…左って何だよ」

「お前ら3人とも金髪だし、大した特徴ねーから」




そう言うと、今までニヤニヤしていた奴らの顔つきが変わった。




「…やっぱむかつく、お前」

「学校来れなくしてやろーか」

「今までみたいに守れると思ってんの?」




「前の奴らも同じこと言ってんだよ」なんて、面倒だから言わないけど。

もっと早く終わらせるべきだったな。




「小夏」




俺が呼びかけると、(珍しくおとなしくしていた)小夏が顔を上げたのが隙間からみえた。




「耳塞いで向こうむいてろ。すぐ終わるから寒いのはもう少しガマンな」




小夏はうなずいて、すぐに言うとおりにした。