溺愛ハニー



ほとんどの理由が『チビのくせにむかつく』というもので。

好きで小さいわけじゃねーのに、そんな理不尽な理由で呼ぶ奴らにイラつく。



俺を呼び出すために小夏を連れ出す奴らもどうかと思うし。

小夏には、「知らない奴についていくな」と教えたはず。

でもそんなこと言ってもムダだって2回目で気づいた。


俺を呼び出したい奴らが「一条が○○(場所)で待ってる」と小夏に言えば、小夏が行かないわけがないからな。

さすがに、そろそろ学習して欲しいと思ってる今日この頃だ。



その時、強い風がふいた。


……うわ、寒っ。

寒すぎ。


クシュン、と小夏のくしゃみの音がした。




「小夏、」




金髪の上を通して小夏にマフラーを投げた。

…でも、そんなに簡単に小夏の手に渡るはずもなく。


左の金髪がマフラーを取った。