溺愛ハニー



「メール見たかよ」

「メール?」

「だから来たんだろ?『助けて!』なーんて、彼女のピンチだもんな」




「ご丁寧に場所まで教えてやったんだし」と、奴らは笑っている。


でも…メールなんて来てたのか?

全然知らなかった。




「…あ、俺今日ケータイ忘れたんだ。悪いけど見てねーし」

「は?忘れるとかアホだろ」

「じゃあ何でココがわかったんだ」

「……4回目だからだよ、アホが」




そう、俺がこうやって呼び出されるのは初めてじゃない。


相手は違うけど、小夏を連れ出して俺を呼び出すパターンは毎回同じ。

そんなことが3回もあれば、次もあると思ってたし、目当てが小夏じゃなくて俺だってこともわかる。