「この問題は?」
「…X=7」
「正解。じゃあ次」
「……72゚」
「合ってる。すげーじゃん、小夏」
小夏を無理やり連れ帰って約1時間。
家に着いて休む間もなく勉強を始めた。
以前までの小夏はまるでウソだったんじゃないかと思うほど、今の小夏は成長した。
…精神的にはあまり変わりはないけど。
ちょっとした応用問題も案外スラスラと解いていく小夏をみて、何でもっと早くやらなかったんだろうと後悔しているのは秘密だ。
ただ、小夏は本当に面倒そうにやっているのは目にみえて分かる。
卒業式の日くらいは休めるとでも思ってたんだろうな…。
あと1週間もない試験当日まで、甘えは許さないつもりだけど。

