「卒業したんだね、僕たち」 「そうだな」 「3年も一緒で、バラバラになんのって変な感じだなー」 緒斗も太一もそれぞれ第1志望に受かって、春からは違う道に進む。 今までの生活はもう2度と戻らないんだ…。 全員が同じことを考えているのか、しんみりとした空気が流れる。 ……けど、俺たちにそんな雰囲気は似合わないよな。 「やっと太一と離れられるなー」 「ちょっ…おい、槙!それは俺のセリフだ!」 冗談を言ったらその場が少し和んだ。 3人で笑いあう。 きっと俺たちは変わらない。 そう思った。