チャイムで目が覚めてから10分。
俺は布団の中でぼんやりしていた。

静かな空間で寝られるってことは幸せだ、と改めて感じた。
家とは違って、学校で、かつ授業中に寝るってのがいいんだよな。



…更に10分。

俺が保健室にいることを知ればいつもは走ってきて、俺のいるベッドの上(つまりは俺の上)にダイブしてくんのに。




「……来ねーし」




小夏が来ない。

放課後になって20分以上たつ。


「不思議に思う」を通り越して、少しいやな予感すらしてくる。



…何かあった?ということをあまり考えないようにして、小夏のクラスに行った。