コンコン ドアを軽くノックする。 「小夏?俺だけど。入っていい?」 「……」 返事がないので「入るぞ」ともう1度声をかけて部屋に入った。 小夏はベッドの上に座っていた。 「小夏」 「槙…」 「起きてて大丈夫か?」 「…うん」 小夏の横に座って、頭を軽く撫でる。 静かだった。 俺はそっと小夏の手を握りながら、撫で続ける。 すると、小夏は嗚咽をもらして大粒の涙を流しだした。