溺愛ハニー



「彼女のとこ行きます」

「サボりか…と言いたいところだが、今日は見逃してやる」




うわ、中井が優しい。
天変地異でも起こるんじゃね?

とは言えないので、「ありがとうございます」と言って説教部屋から出た。



歩きながら考えた。

俺が思うに、中井も少しは責任みたいなものを感じてるんだろう。


まぁ、担任として自分の生徒があまりにも将来のことを楽観視してたら、さすがにイライラして怒鳴りたくなる気持ちがわからないでもない。

でも小夏も心配だ。



11月も終わりに近づく。

季節はもう冬。


冷たい風がふきつける中、俺は小夏の家へと急いだ。