「何ですか」

「お前…カバン持ってどこに行くつもりだ?」




中井が、俺の持っているカバンをチラリと見る。

…いや、完全に睨んでいた。




「彼女のところへ」

「それは堂々と『次の授業サボります』って言ってるのと同じだぞ」




ここで嫌みかよ…。

何とでも言っていいから帰らせてくれ。
中井には関係ねーだろ。


そう思っていると、中井はため息をついて「話があるから職員室に来なさい」と言った。

そして、「宮下のことだ」と付け加えて教室を出ていった。