「…き、槙」

「まーきっ!」

「…うるせぇ…」

「あ、起きた」

「もうお昼だよーっ」




誰だよ…

目をゆっくりあけると、緒斗と小夏がいた。


2人とも教科書を目の前に構えている。




「目付き怖いよ槙」

「…その教科書、何」

「寝起きが最悪の槙対策?顔きたら危ないから」

「痛いもんね~」

「…太一は?」

「あそこだよ」




緒斗が指をさした先に太一がいた。

…何で反対側の端に、しかも隠れるようにしてこっちを見てるんだ?




「太一は唯一の被害者だから。あの恐怖が忘れられないんだって」

「へぇ…覚えてないけど」




その後、俺が完全に目を覚ましたことを確認して戻ってきた太一を含めて、4人で昼飯を食べた。

てか、動くのが面倒だったから「2人きりがいい!」と言う小夏の言葉を脚下したら、こうなっただけなんだけど。