「小夏は?」

「もう帰っちゃったよ」

「…マジか」




なんと、小夏は俺に声も掛けないまま、先に帰るようになってしまった。


今日はちょっと時間があるから、一緒に帰るつもりだったのに…。

帰り道、1人でとぼとぼと歩いていると考えるのはやっぱり小夏のこと。


ふと思った。

…今日小夏に会ってない。

つーか、最近帰り際の決まった言葉くらいしか話してなかったような気がする。
休み時間は緒斗や太一の勉強につきあってるし。

小夏の、ハートの絵文字いっぱいのメールも最近来てない…よな。



思わず立ち止まる。

そして気づく。


小夏は怒ってるんだ。


そういや、バイトばっかで何週間も小夏ほったらかしてたようなもんだったからな~…

絶対にそうだな、うん。



小夏の意図がすぐにわかった俺は、今週のバイトのシフトを思いだしながら、また歩き始めた。