そのとき。
「太一…槙は知らない?」
「うーん…まあ、な」
「小夏ちゃんの持ってる写メがまさか学校中に出回ってるなんて想像もしないよね」
「俺の聞いた話だと、隣町の高校とか…少なくとも6校くらいにはまわってるらしい」
「さすがにちょっと可哀想に思うよ」
「でもさ、それって似合っててかわいかったからだろ?勘違いした人に、クラスのやつらは槙のこといろいろ聞かれたらしいし」
「……かわいすぎるのも罪だねぇ」
俺たちがギャーギャー言い合ってるそばで、太一と緒斗がそんなことを話していたなんて、俺は気づきもしなかった。