「槙!」




小夏がケータイ片手に、嬉しそうに俺のところにかけよって来た。




「何?小夏」

「これ見て!かわいいでしょ!?」

「何がそんなに…って、おい」




小夏が俺に見せたのはケータイの待ち受け画面。

そこには…金髪の俺がいた。
(もっと言えば、フランス人形になりきるための格好をした俺がいた)


いや、写真はたくさん撮られたし、小夏がそれを持ってんのはおかしくないけど…




「待ち受けはやめてくれ」




まだ前の方がよかった…とも言いにくいけど。
(前の待ち受けは俺を隠し撮りしたやつだった)


絶対に変えない!と言い張る小夏に俺もさらに言い返して、口喧嘩のような言い合いが始まった。