…ところが。 「一条くん…」 「あのさ、助け」 「かわいー!」 予想外。 ジーッと俺を見た小夏の友だちから出てきたのは、そんな言葉で。 そして、それがよけいに小夏を俺から離れられなくしたらしい。 「あたしの槙だもん!依(ヨリ)ちゃんはいっぱい見ちゃダメっ!」 小夏の友だちは依ちゃんっていうのか。 …って、そこじゃなくて、 「苦、し…い」 俺を殺す気か、とツッコみそうになるくらいに小夏の力が強くなった。