溺愛ハニー



「何…」

「一条くん」




俺の言葉は途中で遮られる。


衣装係の3人なのは変わらないのに、さっきとは違って目の前の笑顔に恐怖を覚えた。




「あたしたちは“お願い”してるのに」

「実力行使、ってやつ?」

「みんなよろしく!」

「みんなって…おいっ!」




後ろから両腕をガッチリ固められる。

見ると、太一と緒斗だった。




「ごめんね、槙」

「今日だけだから」

「ウソつくなっ…当日も着せる気でいるくせに!」

「着てみたら意外にいいかもしれないじゃん?」

「『意外と』って何だよ!ちょっ…」




その後もワーワーキャーキャー悲鳴やら俺の叫び声やらが飛び交う教室で…

着せられた。


完全に着せられた。