溺愛ハニー



「一条くん!衣装合わせするから着てみてよ」




あと2日。

衣装係の女子3人が俺の前に衣装を持って立つ。
3人とも俺より背が高い。




「いや、遠慮しとく」

「お願い!」

「嫌だ」

「がんばって作ったのに…」




泣くような素振りを1人の女子が見せた。

そんなんで俺が落ちるかっつーの。


だから俺は言ってやった。




「悪いけど、俺に泣き落としが通用するのは小夏だけ」




すると、その女子はピタリと泣き止んで(やっぱりウソ泣きだった)、隣の2人と何やらひそひそと言葉を交わした。


面倒だな…

と思っていたら、バンッ!と目の前にある机に衣装がたたきつけられた。