「槙!」 教室に戻ると、小夏は俺の席に座って満面の笑みで俺を迎えてくれた。 めずらしく、緒斗も太一もいない。 ありがたかったけど。 「小夏…」 ここ数日の(ムダだった)悩みから解放されて、俺は緒斗の席に座りこんだ。 小夏が心配そうに俺に近づく。 そのまま顔を引き寄せてキスをした。 「篠崎くん、何の話だったの?」 「…聞くな」 もう忘れたいんだ。