「…まぎらわしーんだよお前は!」
「俺は小夏ちゃんが好きなんて一言も言ってないけど?」
「そうだけど…じゃあ何で最近小夏につきまとってたんだ!」
「いやー、俺の好きな子が小夏ちゃんに似てるんだ。他校だからなかなか会えないし、失礼な言い方すると小夏ちゃんで練習になればいいな、と思って」
そこまで言った篠崎は、まるで…ペ〇ちゃん、のようなかわいいポーズをした(かわいいからは、とにかくかけ離れていたけど)。
つまり。
さっきの違和感は、間違っていなかったんだ。
篠崎は“小夏”じゃなく“小夏みたいな子”と言ったから変に思った。
ということは、俺の悩みは根本的なところからおかしかったのか…
まず勘違いだもんな。
「まさか一条、俺が小夏ちゃんのこと好きかと思って焦った?」
「…黙れ」
「ヤキモチかー、かわいいな一条」
「かわいい言うな!つーか、お前が小夏をちゃん付けで呼ぶことにもイラついてきた」
すべて篠崎にもバレていた。
恥ずかしさとイライラとがごちゃ混ぜになって、もうここにはいたくなくて。
一発蹴りをいれてから裏庭をあとにした。
ったく…
何か無性に小夏に会いたい。