「何なんだアイツは…」




体育館で女子の視線を独り占めする男。
ちなみに俺ではない。


目で追うと、ソイツばかりが点をいれてることが分かった。

小夏と反対の隣のクラスの奴。

バスケ部か。
上手すぎる。

俺のクラスの別チームがやってたけど、ボロ負けじゃん。


聞けば、アイツ・篠崎(シノザキ)は、バスケ部のエースだとか。

全然知らなかった。



すごいとは思ったけど、まぁバスケだし。

俺は軽く考えてた。




「小夏ちゃーん♪」




…篠崎が小夏に手を振っている、こんな光景を見るまでは。