「これ何?」




手にしてるのは、『草食君の説明書』の本。

なんだか、やばい秘密を握られた・・・・かも?!
だって、この関係は知られたら駄目なのに。




「彼氏おるんか?」


「いない。」



即答。
これだけは和馬との約束。
周りには『彼氏なし』っていう設定。

もちろん向こうも『彼女なし』の設定。




「じゃぁ、これは?」


「!!!!!!!!」




手にしてたのは、和馬に渡すはずの手紙。
『今日一緒に帰ろう♪』的な内容。

上手く誤魔化せばいいんだけど・・・・。
とっさに対処出来るほど、あたしの頭の回転は速くない。




「・・・・・・・・・・」


「・・・・・・図星♪」




やばいぞやばいぞ。
バレたバレた。

しかも、名前付きで。

泰助はニヤリと笑うと、席を立った。
そして、




「明日はグレープフルーツな♪」




って、言って出て行った。

完璧に餌付けられた。
ジュースっていう名の、餌。

これからの出費を考えると、頭が痛い。




泰助・・・・・。

やっかいな奴を敵に回した感じが、ものすっごくする。