「はぁ……」 少女はただ、ため息をついた。 次に、 「レノア様……」 と呟いた。 露出度の高い 小さめの黒い半袖ワンピースに、 黒い短パン。 黒くて長い手袋と、黒くて長いブーツ。 肩まで伸ばした紫色の髪。 真っ赤な瞳には、真っ白な世界が映る。 背中には、黒い大きな翼が生えていた。 その翼は、まるでコウモリの様だった。 全身黒で覆われているその少女は もう一度深いため息をついた。 「まーた来たの、リルシャ」